2026年10月8日(木)ゲスト回

【第21回】高齢者の終末期医療のリアル
治療・延命と「その後の暮らし」を考える

旅する老後研究所 2026年10月8日ゲスト回のイベント画像。終末期医療ってなに?治療・延命と「その後の暮らし」

2026年10月8日(木)、旅する老後研究所では、ベテラン看護師のナカタさんとかなさんをお迎えして、ゲスト回を開催しました。

今回のテーマは、高齢者の終末期医療と延命治療。誤嚥性肺炎のお話を入口に、食べられなくなったときの医療や、病院・施設での判断、本人や家族の希望の伝え方について、現場の経験を交えながらお話しいただきました。

治療の先にある「暮らし」まで考える

病院と施設、それぞれの現場から

第一部では、誤嚥性肺炎や、鼻からの経管栄養、胃ろう、点滴などについて、病院と施設それぞれの視点からお話を伺いました。

病気の治療が終わった後、その人はどこで、どのように暮らしていくのか。食べることや歩くことへの影響、受け入れ先や支える人のことまで、医療と暮らしはつながっています。

治療を受けるかどうかを考えるときには、目の前の処置だけでなく、その後の生活についても聞いておくことが大切。そんな視点が、今回の対話の中で見えてきました。

本人の希望と、家族の気持ち

食べられなくなったとき、どこまで医療を受けたいのか。できるだけ自然に過ごしたいのか。本人の思いと、少しでも長く生きていてほしいという家族の思いが、同じとは限りません。

会の中では、施設での看取りや、食べる楽しみをどう支えるか、家族が納得して見送るための説明や対話についても話題になりました。

一人ひとりの状態や大切にしていることが違うからこそ、簡単に正解を決められる話ではありません。いざというときに初めて考えるのではなく、普段から話しておく意味を考える時間になりました。

自分の希望を、どう伝えていくか

希望を書けば、必ずその通りになる?

第二部では、胃ろうや人工呼吸器などの医療を始めた後の判断、救命と延命の境目、心肺蘇生を望まない意思表示、おひとり様が希望を伝える方法へと話が広がりました。

現場のお話から見えてきたのは、一度始めた医療をその後どうするかという判断の難しさや、希望を書いて残していても、その場ですぐに確認・共有されるとは限らないという現実です。

「伝えておけば必ず希望通りになる」とは言い切れない。だからこそ、どうすれば自分の思いが届きやすくなるのかを考える必要があります。

希望が伝わる可能性を、少しでも高めるために

今回の大切なテーマの一つは、自分の希望が伝わる確率を上げるために、今できる準備をしておくことでした。

家族や、かかりつけ医、ケアマネジャーなどに思いを伝える。言葉だけでなく、書いて残す。必要なときに見つけてもらえる場所を考える。そして、一人に伝えたから大丈夫と思わず、関わる人の間で共有していく。

希望通りになる保証がなくても、現実を知ることで、できる準備があります。「どんな医療を受けたいか」とともに、「自分はどう暮らしたいか」を言葉にしておくことが、その一歩になるのではないでしょうか。

元気なうちから、これからのことを話そう

終末期の医療は、まだ先のこととして考えるのを後回しにしがちなテーマです。今回の対話が、自分や大切な人のこれからについて話し始めるきっかけになればうれしいです。

現場の貴重なお話を聞かせてくださったナカタさん、かなさん、ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

※この活動報告は、当日の対話をまとめたものです。医療上の選択は、ご本人の状態や希望に応じて、医療・介護の専門職と相談してください。

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