今回は、FIRE会として、Kindle本『コーストFIREしちゃいました』を出版されたスミレさんをお迎えし、これからの働き方や暮らし方、そして人生の後半戦をどう生きていくのかについて考える時間となりました。
FIREという言葉を聞くと、たくさんのお金を貯めて早く仕事を辞める、というイメージを持つ方も多いかもしれません。
けれど、今回スミレさんのお話を聞いて感じたのは、FIREは単に「仕事を辞めること」や「お金をたくさん持つこと」だけではないということでした。
むしろ、自分にとって何が大切なのか、どんな暮らしをしたいのか、どんな働き方なら無理なく続けられるのかを考え、自分の人生を自分で選び直していくことなのだと感じました。
スミレさんは、公務員という安定した働き方から、コーストFIREという生き方へ進まれた方です。
「公務員を辞めた」と聞くと、安定した仕事を手放して、まったく別の道へ進んだように感じます。
けれど、お話を聞いていると、すべてを手放したというよりも、公務員時代の仕事の中で「これはやっていて楽しい」「これは自分に合っている」と感じていた部分を、今の仕事にもつなげているように感じました。
仕事は、「今の形のまま続ける」か「全部やめる」かの二択ではないのかもしれません。
今の仕事の中にある好きな部分や、自分に合っている部分を残して、それを生業にしていくこともできる。
そう考えると、働き方の選択肢は思っているよりも広いのだと感じました。
正社員として会社に勤めることだけが、収入を得る方法ではありません。
フリーランスでも、自営業でも、起業でも、アルバイトでも、パートでも、派遣でもいい。
もちろん、それぞれに大変さや不安はあります。
けれど、安定した会社員という形だけにとらわれなくても、自分が好きな働き方で収入を得ることはできるのかもしれない。
スミレさんのお話は、そんなことに気づかせてくれました。
私自身も、セカンドキャリアを考える時期になり、今の働き方について考えることが増えました。
仕事が嫌いなわけではありません。
むしろ、今の仕事の中にも好きなところはあります。
人と関わること、誰かの話を聞くこと、何かを一緒に考えること。
そういう部分には、やりがいや楽しさも感じています。
けれど一方で、「この働き方のままでいいのかな」と思うこともあります。
今の仕事をまるごと好きか嫌いかで判断するのではなく、その中にある自分に合う部分を見つけていく。
そして、その部分をこれからの働き方につなげていく。
そういう考え方ができると、自分らしい生き方というものが見えてくるのかもしれません。
特に心に残ったのは、「できない」のではなく、「やらない」という選択をしていた、というスミレさんの言葉です。
やりたいことがあっても、「お金がないから」「資格がないから」「周りにどう思われるかわからないから」と、ついできない理由を探してしまうことがあります。
でも、よく考えてみると、それは本当に「できない」のでしょうか。
もしかすると、「できない」のではなく、「やらない」という選択をしているのかもしれません。
そう考えると、少しドキッとします。
私自身も、何かを始めたいと思ったときに、「今の自分にはできない」「もっとこうだったらできるのに」と考えてしまうことがあります。
その背景には、自分の中にある可能性を信じきれていない気持ちや、周りからどう見られるかを気にしてしまう気持ちがあるのだと思います。
また、これまで生きてきた中で知らず知らずのうちに身につけてきた、「こうあるべき」「みんなそうしている」という価値観に、とらわれている部分もあるのかもしれません。
けれど、本当にできないかどうかは、やってみないと分かりません。
「やらない」と決めることはできます。
でも、「できない」と決めるには、まだ早いのかもしれません。
とはいえ、やってみようと思ったときには、やっぱり怖さもあります。
どうなるのか分からない不安。
失敗したらどうしようという気持ち。
周りにどう思われるだろうという心配。
そうしたいろいろな感情が、自分の中に生まれてきます。
だからこそ、「やっても大丈夫だよ」「まずはやってみようよ」と言ってくれる人や、そう思える環境にいることが大切なのだと思いました。
そして、働き方やこれからの暮らしを考えるうえで、お金のことも避けては通れません。
ただ、「自分にはいくらあれば安心なのか」「本当にたくさん持っていないと満足できないのか」という問いも、あらためて見つめ直してみたいと思いました。
お金を増やすことも大切ですが、自分にとっての安心や満足の形を知ることも、同じくらい大切なのだと思います。
そしてもう一つ印象的だったのが、人とのつながりの大切さです。
お金は大切。けれど、それだけでは生きていけません。
人と出会い、話し、自分とは違う生き方に触れることで、「そんな考え方もあるんだ」と思えることがあります。
一人で考えていると、どうしても選択肢が狭くなってしまうことがあります。
でも、誰かの話を聞くことで、「こんな道もあるんだ」「こういう選び方をしてもいいんだ」と思える。
それは、すぐに何かを変えるきっかけにはならなくても、自分の中に小さな余白をつくってくれるように感じます。
旅する老後研究所では、40代、50代の方たちと一緒に、これからの生き方や暮らし方について考える時間をつくっています。
人生の後半戦に入っていく時期だからこそ、仕事も、遊びも、学びも、お金の使い方も、元気に動けるうちに少しずつ試してみることが大切なのだと思います。
定年してから、お金や時間ができたとしても、そこから「自分のやりたいことって何だっけ」と探し始めるのでは、少し遅いのかもしれません。
自分が何に喜びを感じるのか、何に満足できるのかは、頭の中で考えているだけではなかなか分かりません。
試してみて、違ったら立ち止まって、また少し方向を変えてみる。
そういうトライアンドエラーを繰り返す中で、少しずつ見えてくるものなのだと思います。
自分にとって、何がどれくらいあればいいのか。
どんな働き方なら心地よいのか。
どんな暮らしなら、自分らしいと思えるのか。
それを知っていくことは、自分の人生をより楽しく、より納得して生きていくための大切な鍵なのかもしれません。
今回のFIRE会は、単にお金や働き方について学ぶ時間ではありませんでした。
スミレさんの生き方を聞きながら、自分自身のこれからを考える時間になりました。
「できない」と思っていたことの中に、本当は自分が「選んでいること」があるのかもしれない。
そして、これから先の人生も、今の延長線上にただ流されていくだけではなく、自分で選び直していくことができるのかもしれない。
そんな気づきをもらった会でした。
旅する老後研究所としても、これからも誰かの生き方を聞きながら、自分のこれからを考えられる場をつくっていきたいと思います。
正解を出す場ではなく、安心して迷える場。
誰かと比べるのではなく、自分にとっての「ちょうどよさ」を探せる場。
そんな時間を、これからもみなさんと一緒につくっていけたらと思います。
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